サッカーの熱狂的なダービーマッチ

熱狂的なダービーマッチ

社会階級や宗教的な対立、歴史的な因縁のあるチームや、同じ地域で活動しているチーム、はたまたリーグの覇権を争うチーム。ダービーマッチは普通の試合よりも熱量があり、激しくより一層盛り上がる戦いになり、中には単なるサッカーの試合にはとどまらないダービーマッチも存在します。今回はそのようなサッカーを盛り上げる熱狂的なダービーマッチを紹介していきます。

 

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覇権を争う2チームの戦い ナショナル・ダービー

ナショナルダービー

  • 国 イングランド
  • 名称 ナショナルダービー
  • チーム リヴァプール マンチェスター・ユナイテッド

この2チームの対決は『ナショナル・ダービー』や『ノースウェスト・ダービー』、『イングランド・ダービー』と呼ばれることもあります。この両チームのライバル関係は、リヴァプールとマンチェスターの都市間のライバル意識が背景にあります。

世界中にファンがいることや、欧州屈指のビッグクラブであることから、この両チームの対戦は国内外で大きな注目を浴びる試合になります。

 

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友好的なダービーから危険なダービーへ マージーサイド・ダービー

マージーサイドダービー

  • 国 イングランド
  • 名称 マージーサイド・ダービー
  • チーム リヴァプール エヴァートン

『エヴァートン』は『1954/55シーズン』、『リヴァプール』は『1962/63シーズン』以降イングランドの一部リーグに留まり続けているため『マージーサイド・ダービー』は長い間一部リーグで行われ続けています。これはイングランドの中で最長の記録になります。

家族の1人は『エヴァートン』サポーター、1人は『リヴァプール』サポーター、1つの家庭に両方のファンがいることが多かったため、この2チームの対戦は『フレンドリー・ダービー』と呼ばれていました。そのためダービーマッチでは珍しく互いのサポーターが仕切られず(通常は衝突を避けるため仕切る)、それぞれのサポーターが隣同士の席に座ることもありました。

もともと友好的なダービーであった『マージーサイド・ダービー』ですが、1980年半ばから徐々にライバル関係が激化していき、プレミアリーグ移行後は最もレッドカードによる退場者が出た『危険なダービー』となってしまいました。

 

宗教的な因縁のある2チームの対決 オールド・ファーム・ダービー

オールドファームダービー

  • 国 スコットランド
  • 名称 オールド・ファーム・ダービー
  • チーム セルティック レンジャーズ

『セルティック』と『レンジャーズ』の一戦は『グラスコー・ダービー』とも呼ばれ世界的に見てもかなり過激なダービーです。スコットランドのグラスコーを本拠地とする両チームは、どちらもスコットランドを代表する人気のチームですが、そのライバル関係は単なるサッカーのライバル関係にとどまりません。

両チームのライバル関係には、『セルティック』がカトリック系サポーターが多いクラブであるのに対して、『レンジャーズ』はプロテスタント系の支持基盤をもつクラブという、宗教的な立場が異なることが背景があります。

また、スコットランドリーグでは30年以上『セルティック』と『レンジャーズ』以外のクラブが優勝しておらず、完全な2強になっています。そのためこの2チームは直接対決以外で負けることはほぼなく、『オールド・ファーム・ダービー』は優勝争いという意味でも重要な位置づけにあります。

 

伝統の一戦 エル・クラシコ スペイン バルセロナ対レアル・マドリード

エルクラシコ

  • 国 スペイン
  • 名称 クラシコ
  • チーム バルセロナ レアル・マドリード

伝統の一戦という意味の『エル・クラシコ』。ダービーと聞いて最初にこれを思いつく人も少なくないと思います。世界的な強豪チームである『レアル・マドリード』と『バルセロナ』は共に世界各国に膨大な数のサポーターを抱えており、『エル・クラシコ』は世界中から注目される一戦となります。

この2チームの対戦は強豪チームの対決という意味だけに留まらず、『バルセロナ』の本拠地がある『カタルーニャ州』と、レアル・マドリードの本拠地がある『スペイン本土』の政治的対立も存在しています。また、両チームは『ラ・リーガ』が発足してから一度も降格したことが無いため、毎シーズン対戦しており通算試合数は180を超えます。

 

スペインで最も熱く激しいローカルダービー セビリア・ダービー

セビリア・ダービー

  • 国 スペイン
  • 名称 セビリア・ダービー
  • チーム セビージャ ベティス

セビリアを本拠地としている『セビージャ』と『ベティス』。両クラブの対決は『セビリア・ダービー』または『アンダルシア・ダービー』と呼ばれ、スペインで最も熱く激しいダービーマッチとして知られています。

両チームの激しいライバル関係は『ベティス』が設立された理由が背景にあります。1909年、当時の『セビージャ』は労働者階級出身の選手との契約を拒否しており、それに反発した勢力が、分裂する形で『ベティスFC』を設立しました。そして1914年に『セビージャ・バロンピエ』と合併し、現在に続く『ベティス』が設立されました。

そのため『セビージャ』は富裕層に、『ベティス』は労働者階級に支持されていた歴史があり、よくある『富裕層vs労働者階級』という構図になっています。ただ、現在はどちらのチームも社会的階級に関係なく応援されているようです。

 

世界で最も熱狂的なダービー スーペルクラシコ

スーペルクラシコ

  • 国 アルゼンチン
  • 名称 スーペル・クラシコ
  • チーム ボカ・ジュニアーズ リーベル・プレート

ブエノスアイレスを本拠地にする『ボカ・ジュニアーズ』と『リーベル・プレート』の対決は『スーペルクラシコ』と呼ばれ、最も熱狂的なダービーとして知られています。『ボカ・ジュニアーズ』には労働階級のサポーターが多いのに対して、『リーベル・プレート』には上流階級のサポーターが多く、『労働者階級vs上流階級』の構図になっています。

2018年に『スーペルクラシコ』の激しさを物語る出来事が起きています。2018年に南米最強を決める大会『コパ・リベルタドーレス』の決勝で史上初めてこの2チームの対戦が実現。この決勝はそれぞれのホームで1回ずつ戦い、2試合の合計スコアで勝負を決める方式で、第1戦は『ボカ・ジュニアーズ』のホームで、第2戦は『リーベル・プレート』のホームで開催される予定でした。

第1戦は予定通り、ラ・ボンボネーラ(ボカ・ジュニアーズの本拠地)で開催されましたが、サポーター同士が衝突する危険性があるため『リーベル・プレート』のサポーターは入場認められず、結果は『2-2』の引き分けとなり、勝敗は第2戦に委ねられました。

前述の通り第2戦は、エル・モヌメンタル(リーベル・プレートの本拠地)で開催される予定でしたが、キックオフ数時間前に『リーベル・プレート』のサポーターが『ボカ・ジュニアーズ』の選手が乗ったバスを襲撃したため試合は中断、試合は延期されることになりました。

そして後日『レアル・マドリード』の本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』で開催されることが決決定。仕切り直しとなった第2戦は『3-2』で『リーベル・プレート』が勝利し、2試合合計スコアが『5-4』となり、『スーペル・クラシコ』を制し南米王者に輝きました。

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