ルヴァンカップとはなに?Jリーグとの違いは?

ルヴァンカップとはなに?Jリーグとの違いは?

『ルヴァンカップ』とはなにか知っているでしょうか?また『Jリーグ』との違いはご存じでしょうか?どちらも日本のサッカーで重要な大会となっていますが、本記事では『ルヴァンカップ』とはなにかを解説し、そのあと『Jリーグ』との違いも紹介します。

 

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ルヴァンカップとは?3大タイトルの1つ

ルヴァンカップとは?

『ルヴァンカップ(正式にはJリーグYBCルヴァンカップ)』はJリーグ、天皇杯と並び、日本サッカーのメジャーな大会です。その歴史はJリーグと共にあります。第一回大会は1992年で、翌年開幕するJリーグのプレ大会として開催されました。

当時の名称は『ヤマザキナビスコカップ』でこれは『ヤマザキナビスコ』が冠スポンサーを務めていたため。その後も1995年を除き、同社を冠スポンサーとして毎年開催されてきました。その結果2013年には、同一企業の協賛により最も長く開催されたプロサッカーの大会としてギネスに認定されました。

2016年9月に『ヤマザキナビスコ』が社名を『ヤマザキビスケット』に改称したのに伴って、大会名も同社の新商品の『ルヴァン』を冠した『ルヴァンカップ』に変更されました。なお、大会名が変わってもギネス記録は継続中です。

 

ルヴァンカップの位置付け

ルヴァンカップの位置付けとしては、若手選手や、リーグ戦で出場機会の少ない選手、スタメンで出れない選手が出場する大会です。後述するU21選手の先発出場義務ルールがあるため、大会としても若手の出場機会を増やす狙いがあります。

また、ルヴァンカップは主にJ1のチームが参戦する大会であり、J1のチームにとっての優先順位は『J1>天皇杯>=ルヴァンカップ』です。そのため、リーグ戦には主力選手を出し、ルヴァンカップや天皇杯ではサブの選手を出場させるというわけです。これはJリーグに限ったことではなく世界各国のトップリーグで『リーグ戦>カップ戦』の構図になっています。

では同じカップ戦である、天皇杯とルヴァンカップのどちらが重要かというと、優勝賞金は同じ(2024シーズン時点)ですが、天皇杯はアジアチャンピオンズリーグの出場権が優勝チームに与えられるため、天皇杯で優勝するほうがうまみがあると言えます。

 

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ルヴァンカップで優勝するとどうなる?

ルヴァンカップで優勝するとどうなる?

ルヴァンカップでは、優勝クラブに1億5千万円の賞金とトロフィー、メダルが贈られます。準優勝クラブには5千万円の賞金と楯、メダルが与えられます。さらに、3位のクラブ(2チーム)にも2千万円の賞金と楯が与えられます。※2024シーズン時点。

また、2008年以降『JリーグYBCルヴァンカップ/コパ・スダメリカーナ王者決定戦』の出場権が与えられます。『コパ・スダメリカーナ』とは、南米最強クラブを決める『コパ・リベルタドーレス』に次ぐ第二の南米の大会です。そのチームと対戦する権利が与えられるというわけです。

ただ、2019年を最後に、東京オリンピックや、東アジア選手権と時期が重なったため、開催されていません。2024年もまだ未定です。

 

ルヴァンカップのレギュレーション

ルヴァンカップのレギュレーション

ルヴァンカップは、J1、J2、J3から全てのクラブ(60クラブ)が参加します。大会は『1stラウンド』『プレーオフラウンド』が行われた後、『プライムラウンド』が行われます。

 

1stラウンド

クラブ数:60→13

『1stラウンド』は、アジアチャンピオンズリーグ23/24のノックアウトステージに進出した3クラブ(川崎、横浜FM、甲府)以外の57クラブで開催されます。この57クラブを、2023シーズンのリーグ戦での成績をもとに10組に分けます。各組でトーナメント方式で競い、勝ち残った1クラブが『プレーオフラウンド」に進出します。

試合は一発勝負で、90分で勝敗がつかない場合は延長戦を行い、それでも決着しない場合はPK戦を行います。試合会場は下位リーグ、または2023シーズンのリーグ戦で下位のクラブのホームで行います。

ルヴァンカップ2024シーズンの1stラウンド組み合わせ。
1stステージ組み合わせ1

1stステージ組み合わせ2

 

 

プレーオフラウンド

クラブ数:13→8

『プレーオフラウンド』では、1stラウンドを突破した10クラブが戦います。それぞれのホームで1回ずつ戦い、勝利数が多いクラブが『プライムラウンド』に進出します。勝利数が同じ場合は、2試合の合計スコアが多いクラブが勝利となります。

2試合の合計スコアが同じ場合は、2試合目の終了後に延長戦を行い、それでも勝敗が決まらない場合は、PK戦を行います。

 

プライムラウンド

クラブ数:8→1

『プライムラウンド』では、プレーオフラウンドを突破した5クラブに、アジアチャンピオンズリーグ23/24のノックアウトステージに進出した3クラブ(川崎、横浜FM、甲府)を加えた8チームでトーナメントを行います。

試合は、決勝戦を除いてプレーオフラウンドと同じ方式で行います。決勝戦は一発勝負で行われ、90分で決着がつかない場合は、延長戦が行われ、それでも勝負がつかない場合はPK戦が行われます。

 

U21選手の先発出場義務ルール

『ルヴァンカップ』では、満21歳以下での日本人選手を1名以上先発させる必要があります(決勝を含む)。ただし、該当の選手が1名以上、代表の活動(A代表かU19以上のカテゴリーに限る)に召集されている場合と、怪我や体調不良など、やむを得ない事情により出場ができない場合は、出場の義務はありません。

このルールは若手選手の出場機会を増やし、成長を促すものです。

 

ルヴァンカップとJリーグの違いはなに?

ルヴァンカップのJリーグの違いはなに?

賞金の違い

ルヴァンカップは主にJ1チームが出場するため、J1の優勝賞金と比較します。ルヴァンカップの優勝賞金は『1億5千万円』で、J1の優勝賞金『3億円』、J1の準優勝が『1億2千万円』となっています。※2024シーズン時点

比較するとそれなりに高いように思えますが、 1チームしかもらえない1億5千万円を当てにするより、J1で結果を残したほうが商業的なメリットが大きいでしょう。仮に、J2に降格したら大打撃を喰らうことになります。

 

ACLの出場権

ACL(アジアチャンピオンズリーグ)にはアジア各国のチームが出場しますが、日本からは4チームが出場します。その4チームは、J1の1位~3位のチームと天皇杯の優勝チーム(J1の4位クラブが繰り上げ出場する可能性もある)です。一方でルヴァンカップの優勝チームにはACLの出場権は与えられません。

 

大会方式

ルヴァンカップとJリーグの大会方式は大きく異なり、JリーグはJ1、J2、J3全てでホーム&アウェーの総当たり戦を採用していますそのため試合数が多くなり、1クラブ当たりの試合数はJ1・J2・J3共に38試合となります。

一方、ルヴァンカップはグループリーグとトーナメント方式を組み合わせたもの(詳しくはルヴァンカップのレギュレーションの項を参照してください)。試合数は最大でも10試合。試合数が少なく全てのチームと対戦するわけではないので、下馬評の低いチームや、リーグ戦では優勝争いに加わっていないチームが優勝することもしばしばあります。これは多くのカップ戦に共通した醍醐味と言えます。

 

まとめ

本記事では、『ルヴァンカップとはなにか』『Jリーグとの違い』について解説しました。ルヴァンカップは、Jリーグと共に歩んできた歴史があり、ヤマザキビスケットによるギネス記録を保持しています。また、位置付けとしては若手や、サブの選手が主に出場する大会です。そして、ルヴァンカップとJリーグの違いとしては、賞金の違いやACL出場権の有無、大会の形式などが挙げられました。

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