欧州のトップレベルのチームが激闘を繰り広げられるチャンピオンズリーグ。時にはドラマチックな逆転劇が大会を盛り上げます。今回はチャンピオンズリーグで起きた大逆転劇を紹介していきます。
マンチェスターユナイテッド対バイエルン 1998/99シーズン 決勝
『カンプ・ノウ』で行われた『1988/99チャンピオンズリーグ決勝』は12シーズンぶりの優勝を狙う『バイエルン』と、20シーズンぶりの優勝を狙う『マンチェスターユナイテッド』の対戦になります。
『マンチェスターユナイテッド』はキャプテンの『ロイ・キーン』と『ポール・スコールズ』が累積警告で出場停止になっており、厳しい戦いになると予想されていました。
試合は『バイエルン』が試合開始早々の6分に先制点を取り、試合前の予想通りの展開に。
『マンチェスターユナイテッド』は追いつこうと得点を狙いますが、『ロイ・キーン』と『ポール・スコールズ』を欠いた影響は大きくゴールを奪うことが出来ず『0-1』で前半終了。
後半も何度かチャンスは作るものの『バイエルン』の堅い守りを崩せず試合は90分に突入。『バイエルン』の優勝が目の前まで迫ったアディショナルタイムにコーナーキックを得ます。
GKの『カスパー・シュマイケル』も攻撃参加したコーナーキックのこぼれ球を『ライアン・ギクス』がボレーでシュートを撃つとゴール前で『シェリンガム』がコースを変え、土壇場で同点ゴールを決め『1-1』の同点に。
約2分後に再びコーナーキックを得ると、『シェリンガム』がヘディングでシュートを撃ち『グンナー・スールシャール』がコースを変え逆転ゴールを決めました。
試合はそのまま『2-1』で終わり『マンチェスターユナイテッド』が後に『カンプ・ノウの奇跡』と呼ばれる一戦を制しました。
このシーズンの『マンチェスターユナイテッド』は『プレミアリーグ』と『FAカップ』でも優勝しており、イングランドのチームとしては初となる『トレブル(三冠)』を達成しました。
リヴァプール対ミラン 2004/05シーズン 決勝
トルコのイスタンブールで行われた決勝戦は早い時間で動きました。1分に『アンドレ・ピルロ』がフリーキックを蹴ると『パオロ・マルディーニ』がボレーで合わせ『ミラン』が先制。
39分、43分に『エルナン・クレスポ』が得点を決め、前半だけでスコアを『0-3』とし『リヴァプール』を突き放しました。
3点が必要な『リヴァプール』は後半に巻き返しを図ります。54分に『スティーブン・ジェラード』、56分に『シュミツェル』60分に『シャビ・アロンソ』がゴールを決め試合を振り出しに戻します。
その後はお互い譲らず、延長戦に突入してもゴールは生まれず勝負はPK戦に。
PK戦では先行の『ミラン』が2人連続で失敗すると、『リヴァプール』は2人連続で決め『ミラン』を追い詰めます。
『ミラン』はその後2人連続で決めると『リヴァプール』は1人が止められ1人が決める展開。『ミラン』の5人目のキッカーは『シェフチェンコ』。
PKを外した時点で『リヴァプール』の勝利が決まる場面でPKを外し、試合終了。
前半終了時点で『0-3』と絶望的な状況だった『リヴァプール』が後半怒涛の巻き返しで『1983/84シーズン以来5回目』の優勝を果たしました。
バルセロナ対パリ・サンジェルマン2016/17シーズン ラウンド16
『パリ・サンジェルマン』のホーム『パルク・デ・プランス』で行われた『ファーストレグ』は、16分に『ディ・マリア』が直接フリーキックを決め先制。
このゴールで口火を切ると、40分に『ドラクスラー』、55分に再び『ディ・マリア』、72分に『カバーニ』がゴールを決め『4-0』で圧勝しました。
続く『セカンドレグ』、今シーズンは2戦合計得点が引き分けだった場合『アウェーゴール』が多い方が勝ち抜けるレギュレーション。
そのため『ファーストレグ』で『アウェーゴール』を手にしていない『バルセロナ』は相手にアウェーゴールを与えず最低でも4点決めなければならないという難しいミッションが課せられました。
試合は3分に『スアレス』がゴールを決め『バルセロナ』が先制。40分に相手のオウンゴールで『2-0』、50分に『メッシ』がPKを決め『3-0』とあと1点のところまで迫ります。
が、しかし『カバーニ』にアウェーゴールを決められ『3-1』、2戦合計『3-5』がになり3点が必要な状況に追い込まれます。
試合はそのまま終盤に入り絶体絶命かと思われた『バルセロナ』でしたが、88分に『ネイマール』が直接フリーキックを決めると、アディショナルタイム1分に再び『ネイマール』がPKで得点し2戦合計『5-5』。
同点の場合はアウェーゴールの多い『パリ・サンジェルマン』が勝ち抜けるため、得点が必要な『バルセロナ』。
アディショナルタイム5分、『ネイマール』がゴール前に放り込んだボールを『セルジ・ロベルト』が決め2戦合計『6-5』と大逆転に成功。
試合はこのまま終了し『4-0』からの逆転という『チャンピオンズリーグ』の歴史に残る大逆転を達成し次のラウンドに駒を進めました。後にこの試合は『カンプ・ノウ』の奇跡と呼ばれています。
「まとめ」
大差からの逆転、アディショナルタイムの劇的なゴール。欧州トップレベルのチームが本気で勝利を目指すため今回紹介してきたような逆転劇が起きます。こういったドラマチックな戦いはチャンピオンズリーグの醍醐味といえますね。