『オフサイド』は、手を使ってはいけない、ボールをゴールに入れたら得点、などの基本的なルールに比べるとやや複雑で、文字や言葉だけで理解するのは難しいと思います。
ですが『オフサイド』を理解していないとなぜ今のプレーは『オフサイド』になったのかと、モヤモヤが残ってしまいます。モヤモヤがある状態だとサッカーを楽しみ辛いですよね。
今回は『オフサイド』について図を使いながら分かりやすく解説してきますので、モヤモヤを解消してサッカーを楽しみましょう。
オフサイドに関する用語
『オフサイド』を解説していきますが、その前にまず次の3つの用語の意味を覚えましょう。
- ゴールライン
- オフサイドライン
- オフサイドポジション
それでは図を使って解説していきます。
ゴールライン
『ゴールライン』とはフィールドの一番奥の線のことです。図だと上端にあるオレンジの横線の部分ですね。
オフサイドライン
『オフサイドライン』とは『ゴールライン』から『2番目に近い守備者』の位置に『ゴールライン』と平行になるように引いた架空の線の事です。
細かい位置は『ゴールライン』から『2番目に近い守備者』の『ゴールライン』に『最も近い体の部位(手と腕を除く)』です。
つま先が近いならつま先、肩が近いなら肩の位置が『オフサイドライン』になります。
ボールが『ゴールライン』から『2番目に近い守備者』より『ゴールライン』に近い場合は、ボールの位置が『オフサイドライン』に変わります。
また『オフサイドライン』は自陣に引かれることはありません。
もしこのように『ゴールライン』から『2番目に近い守備者』が自陣にいた場合は、フィールド中央の線が『オフサイドライン』になります。このことから自陣で『オフサイド』になることはありません。
オフサイドポジション
攻撃者の体(手と腕を除く)が少しでも『オフサイドライン』を超えていたら、その選手は『オフサイドポジション』にいる、ということになります。
オフサイドになる条件とは?
以下の条件を満たすと『オフサイド』の判定になります。
- 相手陣地にいる
- 『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいる
- ボールに関与する、またはプレーに関与する
競技規則にはもっと細かく記述されていますが、とりあえずこの3つさえ覚えていれば大丈夫です。
ボールに関与するとは、パスを受ける、パスを受けようとする、シュートに当たる、などのボールに対して何かしらの動きをすることです。
プレーに関与するとは、相手選手の進路に立つ、相手ゴールキーパーの視野に入る、などの相手選手のプレーに影響を与える様な動きをすることです。
味方がボールを蹴った瞬間がポイント
『オフサイド』の重要なポイントをとして『味方がボールを蹴った瞬間』が挙げられます。
『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいる選手は『オフサイド』になる可能性があります。
逆に『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいない選手は、全員『オフサイド』にはなりません。
『オフサイド』というルールは基本的に『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいるかどうかです。
オフサイドの例
それでは『オフサイド』の例を見ていきましょう。以下で紹介する3つのパターンは試合中によく見られるものです。
シンプルなオフサイド
これは『オフサイド』の典型的なパターンです。
『相手陣地』にいて『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいて『パスを受けた』、つまり『ボールに関与』しているので『オフサイド』の判定になります。
シュートのこぼれ球でオフサイド
これも多く見られるパターンです。
『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいた選手が、ゴールキーパーが弾いたボールをシュートした場面です。
『相手陣地』にいて『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいて『ボールに関与』しているので『オフサイド』の判定になります。
またこの場面はキーパーが弾いたボールでしたが、ゴールの枠に跳ね返った場合でも『オフサイド』になります。
戻りオフサイド
これは『味方がボールを蹴った後』に『オフサイドポジション』にいた選手が『オフサイドポジション』にならない位置に戻ってパスを受けた場面です。
これも『相手陣地』にいて『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいて『ボールに関与』しているので『オフサイド』の判定になります。
このパターンの『オフサイド』は『戻りオフサイド』と呼ばれます。
オフサイドにならない場合
条件を満たしているように見えても『オフサイド』にならない場合があります。
以下のような場合『オフサイド』になりません。
- 味方がボールを蹴った後に『オフサイドポジション』に入った
- 相手が触れたボール
- ゴールキック、コーナーキック、スローイン
- ボールより後ろにパスした
味方がボールを蹴った後に、オフサイドポジションに入った
これは『オフサイドポジション』でパスを受けていますが『味方がボールを蹴った瞬間』は『オフサイドポジション』にいないので『オフサイド』にはなりません。
相手が触れたボール
相手が触れたボールに関与しても『オフサイド』にはなりません。
ただしこれは、パスしようとした、前に大きく蹴ろうとした、などの『意図をもって触れたボール』に限ります。
上の図ではゴールキーパーにパスをする『意図のあるプレー』なので、パスカットしても『オフサイド』にはなりません。
ゴールキック、コーナーキック、スローイン
ゴールキック、コーナーキックで蹴られたボールや、スローインで投げられたボールに関与した場合は『オフサイド』にはなりません。
ボールより後ろにパスした。
『味方がボールを蹴った瞬間』に、ボールより後ろにいる選手は『オフサイド』になりません。
まとめ
今回は『オフサイド』について解説をしましたが、いかがだったでしょうか?
『オフサイド』はややこしくて理解するのが難しいルールですが『オフサイド』の基本は『味方がボールを蹴った瞬間』に『オフサイドポジション』にいるかどうかです。これだけ抑えておけば大丈夫です。