得点が決まることが少ないサッカーでは、成功率8割と言われる『PK』は試合に大きな影響を与えます。ではその『PK』のルールとはいったいどのようなものなのでしょうか?
今回は『PK』のルールについて解説していきます。
PKとは?
『PK』とは『ペナルティーキック(penalty kick)』の略称で、ゴール前にあるペナルティーマークにボールをセットして行われます。
PKになるのはどんなとき?
『PK』は『ペナルティーエリア』で守備側がファウルを犯すと、相手チームに与えられます。
ただし、全てのファウルが『PK』になるわけではなく『直接フリーキック』に該当するファウルの場合に限ります。
直接フリーキックはこの記事で解説しています。
PKのルール キッカー
PKは誰が蹴る?
競技規則に誰が蹴るかは規定されていないため、フィールドにいる選手(キーパーを含む)なら誰でもPKを蹴ることができます。また、蹴る選手のことを『キッカー』といいます。
ただ、あらかじめ決められた選手が蹴る、PKを獲得した選手が蹴る、などチームごとに決まり事がある場合が多いです。
注意点として、競技規則に以下の規定があるため、ある選手が蹴る素振りを見せて他の選手が蹴る、ということはできません。もしこれをやってしまうと、蹴った選手にイエローカードが提示されます。
ペナルティーキックを行う競技者は、明らかに特定されなければならない
PKでドリブルは反則になる
競技規則にこのような規定があります。
他の競技者がボールに触れるまで、キッカーは、再びボールをプレーしてはならない。
これは『PK』を蹴った選手が『連続でボールに触ってはいけない』ということです。この規定があるため『ドリブル』することはできません。
蹴ったボールがポストやバーに当たり跳ね返った場合も、他の競技者にボールが触れていないため、PKを蹴った選手はボールに触ってはいけません。
PKはパスしてもいい
『PK』は必ず『シュート』を蹴らないといけないわけではなく、『パス』をすることもできます。ただし、競技規則に下記の規定があるため『パス』をする場合でも前方に蹴らなければいけません。
ペナルティーキックを行う競技者は、ボールを前方にけらなければならない。ボールが前方に動くのであれば、バックヒールも認められる。
もし後方に蹴った場合は、相手チームに『間接フリーキック』が与えられます。
PKでキックフェイントは反則
以下の規定があり、『キックフェイント』が禁止されています。
競技者が一度助走を完了した後、ボールをけるためにフェイントをする(助走中のフェイントは、認められる)。主審は、そのキッカーを警告する。
助走中に緩急をつけるなどの『フェイント』は認められますが、助走を終えた後に蹴るフリをして蹴らないなどの『フェイント』は認められないということです。
もしこの反則を犯した場合『イエローカード』が提示されます。
PKのルール ゴールキーパー
ゴールキーパーは足をラインの上に
今までは蹴る側のルールでしたが、当然『ゴールキーパー側』にもルールがあります。
キッカーと違い『ゴールキーパー』のルールは、競技規則に規定されている以下の1つだけです。
ボールがけられるとき、守備側ゴールキーパーは、少なくとも片足の一部をゴールラインに触れさせているか、ゴールラインの上に位置させていなければならない。
『ゴールキーパー』がこの反則を犯して、ゴールが決まった場合そのまま得点が認められます。
ゴールが決まらなかった場合は、『ゴールキーパー』の反則が明らかにキッカーに影響を与えたときのみ『PK』をやり直します。
また、この反則を繰り返し犯すと、『イエローカード』が提示される場合があります。
PKのルール 他の選手
ゴールキーパーとキッカー以外はエリアの外
『ゴールキーパー』と『キッカー』以外の選手に関しては以下のように規定されています。
キッカーとゴールキーパー以外の競技者は、次のように位置しなければならない。
・ペナルティーマークから少なくとも9.15m(10ヤード)以上離れる。
・ペナルティーマークの後方。
・競技のフィールドの中。
・ペナルティーエリアの外。
『ゴールキーパー』の味方がこの反則を犯し、ゴールが決まった場合、そのまま得点が認められます。ゴールが入らなかった場合は『PK』をやり直します。
『キッカー』の味方が反則を犯し、ゴールが決まった場合、『PK』をやり直します。ゴールが入らなかった場合は、相手に『間接フリーキック』が与えられます。
両方の選手が反則を犯した場合は、ゴールが決まったかどうかは問わず『PK』をやり直します。
PKのルールまとめ
今回解説した『PK』のルールをまとめると以下の通りになります。
キッカー側
- PKは誰が蹴ってもいいが、誰が蹴るかは明らかになってなければいけない
- キッカーは他の選手がボールに触るまで、ボールに触れない
- PKは前方に蹴らなくてはいけない
- 助走が終わった後はフェイントをしてはいけない
ゴールキーパー側
- ボールが蹴られるとき、少なくとも片足をゴールラインに触れるか、上の位置しなければいけない
他の選手
- フィールドの中、ペナルティーエリアの外、ペナルティーマークの後方、ペナルティーマークから9.15m以上離れた位置にいなければならない